終末のイゼッタ 西暦1940年− 少女は、戦場を翔ける

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藤森雅也監督 × 月刊PANZER 柘植優介氏(軍事ディレクション)対談

PV公開時から緻密なミリタリー描写にも注目が集まっていた『終末のイゼッタ』。すでに放送された第3話までにも、藤森雅也監督をはじめとしたスタッフたちのこだわりが詰まっています。そこで、藤森監督と、軍事ディレクションの柘植優介さん(月刊PANZER)に、第3話までのミリタリー面でのこだわりポイントなどを解説して頂きました。

 

作品のリアリティのレベルが上がり、ミリタリー描写にもこだわることに

―― 魔女の末裔であるイゼッタと、戦車や戦闘機など近代兵器が戦うという『終末のイゼッタ』の世界観は、どのような経緯で生まれたのですか??

藤森 最初、ざっくりと「ミリタリーと魔法少女物という2つのお題で作品を作れませんか?」という感じでお話をいただいて。そこから、それぞれの要素をどのくらいの範疇に収めていくのかを、シナリオ会議ですり合わせながら進めていきました。

 

―― その過程で、ミリタリー描写にもこだわっていこうという方針も固まっていったのですか?

藤森 最初はもう少しSFチックなお話も考えていたんですけど、徐々に、第二次世界大戦を背景にしたような、わりとリアルな方向性になっていきました。そうやって、作品の中のリアリティのレベルがかなり上がっていったことで、必然的にミリタリー描写にもこだわる必要が出てきたんです。

 

―― 藤森監督自身、ミリタリーに関しては以前から詳しかったのですか?

藤森 自分たちの世代だと、小学生の頃に松本零士先生の『戦場まんがシリーズ』とかは読んでいましたし、新谷かおる先生の『エリア88』も当然のように読んでいました。そういう作品を読んで育った世代として、普通に戦争映画とかは良く観ていたので、ふわっとした知識はありました。自分たちの世代では平均値よりちょっと興味があるかなくらいだったと思います。でも、その程度の知識では、作り手として専門的なところまで描写できるのかというと、とても無理なんですよね。兵器の種類などは知っているけど、その運用などの突っ込んだことは分からない。どういう部隊構成なのかというところになると、もう全然手に負えません。もちろん、『終末のイゼッタ』を作ることになってから、相当勉強はしましたし、今も勉強をしている最中ですが、『月刊PANZER』さんのご協力を頂けて、非常に助かっています。

 

―― では、柘植さんにお伺いしたいのですが。簡単な自己紹介と『終末のイゼッタ』での「軍事ディレクション」としての具体的な役割をお聞かせいただけますか?

柘植 普段は『月刊PANZER』という、1975年に創刊された日本で一番古い陸戦(戦車や装甲車、そして地上戦史など)の専門誌で編集者をやっています。今回、縁あって、お手伝いをさせて頂くことになりました。一般的な「軍事監修」といった役割ですと、作品に登場する兵器などの選定や描写に関する情報の監修という範囲で終わると思うのですが、今回はそこに留まらず、組織編成や兵器の運用、さらに遡ると、作中では直接描かれていないエイルシュタット軍の成り立ちなども考えさせて頂きました。

藤森 舞台となる国をどこに設定すれば良いのかといった、作品の世界観の大本の段階から関わって頂いているんです。

柘植 なので、役職も「軍事監修」ではなく「軍事ディレクション」という形にして頂きました。あと、それぞれの戦闘の戦況図の制作なども担当しています。

藤森 脚本が完成するよりも前、シリーズ構成が固まった段階で、柘植さんに戦況図を作って頂きました。この地形だったら、どう攻めるといったところから考えて下さっているので、(シリーズ構成・脚本の)吉野さんも、その戦況図を見ながら脚本を書かれていたし、自分も完成した脚本と戦況図を見ながら、絵コンテなどの作業を進めています。

柘植 こういう場所だと、こういう風に戦うとリアリティがありますよ。だから、こういう風に話をもっていくのはどうですか、といった提案もさせて頂いています。戦況図があると、スタッフの皆さんも頭の中でイメージしやすいと思いますし、会議などでも、実際に地図上にいろいろと書き込んだりしながら話を進められますので。

 

―― 戦況図があることで、作品の内容やクオリティーにも影響はありましたか?

藤森 全然違いますね。通常の作品作りではそこまで気にしなくて良いのだけれど、『イゼッタ』では意識して作らなくてはだめなことが、ものすごくたくさんありまして。例えば、戦場で、東西南北のどっちを向いたら何が見えるというところまで戦況図から引っ張って描いてます。それは、戦況図があるからこそできることですし、この作品は、そこまでリアリティを追求しないと描けない作品でもあるんです。

 

レシプロ機の表現に関して、ここまでできているテレビアニメは他に無いはず

―― この対談が公開されるのは第3話の放送後になるのですが。第1話~第3話で、視聴者の皆さんに見返して欲しい、ミリタリー的なこだわりポイントを教えてください。

藤森 たくさんありますが、自分的には、スツーカ(ユンカース Ju87B-2スツーカ)やメッサーシュミット(メッサーシュミット Bf109E-4)といった航空機の描写を観てもらいたいですね。航空機や戦車はオレンジさんという3DCGのスタジオで作って頂いているんですけど、最初は、レシプロ機(プロペラ機)ならではのふわっと空気に乗っているような飛び方のイメージが上手く伝えられず、かなり頻繁にやりとりを行なっていたんです。でも、あるタイミングでガラッと変わったんです。

 

―― どのシーンで変わったのですか?

藤森 2話の冒頭、バスラー機を先頭に4機のメッサーシュミットが飛んでいて。輸送機が墜落したという通信を受けて旋回する。あのカットの動きがデータとして送られて来た時、「すげえー!!」と、モニターの前で小躍りしました(笑)。

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きっと、ものすごく研究して下さったのだと思います。それ以降は、毎回毎回チェック用の映像が上がってくるのが楽しみでしょうがない。レシプロ機の表現に関して、テレビアニメでここまでできているものは、他には無いだろうと思えるくらい、すごく良くなっています。

柘植 航空機で言えば、1話でゲルマニアのスツーカがエイルシュタットの国境を爆撃する時、ちゃんとアームを伸ばして爆弾をプロペラに当たらない位置まで出し、ダイブブレーキを開いて(減速して)から落とす描写があるんですよね。普通の作品だと、爆弾がラックから落ちるだけだと思うのですが、その細かい描写に感心しました。あれは、監督から指示を出されたのですか?

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藤森 はい。3DCGのモデルを作ってもらう段階から、あのアームは絶対に動かしたいので、別パーツとして作って下さいとお願いしました(笑)。

 

―― 柘植さんも、こだわった部分などを教えていただけますか?

柘植 陸戦に関しては、第3話のケネンベルクの攻防戦が1つの山ですね。先ほどお話したように、この戦いの戦況図も描いているのですが。作中で、第一線陣地(最前線の陣地)で戦っている部隊に、第二線陣地まで後退するように指示がくるところは、まさに戦況図を元に描いてもらえたので嬉しかったですね。普通のアニメだったら、いきなり最終防衛ラインというか、陣地が1つしかないところでの戦いになってしまいがちなので。

藤森 戦況図で、ここの部隊がこういう風に後退してくるといったところまで描いて頂いたので、それを生かして作りました。ケネンベルクでの絵的な工夫としては、第一線と第二線で塹壕の壁を変えているんですよ。

柘植 そうなんですか?

藤森 第一線の方は急造ぽく土を掘っただけにして、第二線の方は丸太で固めてあります。

柘植 第二線の方が固く崩れにくく作ってあるわけですか! 完成映像はまだ観ていないので、この後、観させて頂きます。ケネンベルク攻防戦でさらに言うと、砦の中に中隊長がいて、補佐する参謀、通信手、観測手らがいるといった軍隊の役割分担がしっかり描かれているところも嬉しいですね。アニメだと、いろいろな事情はあると思うのですが、中隊長が一人であらゆる役割をやってることなども多いので。あと、監督から、その砦の中にいる兵士のガヤのセリフも考えて欲しいと言われて、考えさせて頂きました。だから、あそこの兵士たちも全然関係ない話をしているのではなく、専門的な用語を交えて意味のある会話をしているんです。そこまでリアリティにこだわった提案をして頂けたのも嬉しかったですね。

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藤森 柘植さんは、毎回、アフレコにも来て下さっているので、その場でいろいろな相談ができて非常にありがたいです。僕も、『イゼッタ』のアフレコで初めて聞いた用語もありますから(笑)。

 

大人っぽい戦争映画的なところを楽しんでもらえれば嬉しい

―― 本作では、アニメーターの東賢太郎さんが「銃器・メカ作画監督」という役職で参加されています。

藤森 東さんに修正して頂いたカットは、鉄の硬くて重い感じがすごく良く出ていて、作品自体にも重量感を加えてくれています。例えば、イゼッタの使っている対戦車ライフルや、メッサーシュミットのコクピット内は手描きなんですけど、そこの鉄感もすごい。それに(形や質感だけではなく)動きも含めて直して下さっていて。2話でフィーネがライフルを撃つ際、ガチャンと引いたボルトが自動的に元の位置に戻る時の重量感も素晴らしい。何回観てもため息が出るようなカットです。アクション作画監督の竹内(哲也)さんと、どちらの作業なのかは断言できないのですが、お二人のこだわりがあるからこそ、描けている絵と動きだと思います。

 

―― これまで、ミリタリー的なこだわりの深さを伺ってきたのですが。アニメとしての楽しさなどを優先して、あえて、ミリタリー的なリアリティから逸脱させたりすることもあるのでしょうか?

藤森 例えば、1話でフィーネが拉致されて、ユンカースで運ばれているシーンは、本当だったらエンジン音がうるさ過ぎて、あんな状態で会話はできないと思います(笑)。

柘植 そうですね。実際には、耳元で叫ばないと会話できないでしょうね(笑)。

藤森 でも、それでは芝居が台無しになるので。芝居を優先して、あの距離感で会話をさせて、ゲルツのいやらしさを見せています。そういうところは、分かった上で、リアリティよりも作劇を優先している感じですね。

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―― では、最後に、第4話以降のミリタリーファン目線での見どころと、作品全体の見どころをお聞かせください。

藤森 ネタバレにならないように話すのは難しいのですが(笑)。第3話と同じくらいに大規模な戦闘が描かれる回がありまして。そこでは、バスラ―がアニメオリジナルの新型機に乗って登場します。その新型機がどのような機体で、どのような使われ方をするのか、お楽しみにしていてください。

柘植 あとは、ドイツの兵器だけではなく、他の国の兵器も少し出てきますので。そこも楽しみにして欲しいところですね。

藤森 作品全体としての見どころは、魔法が使えるとはいえ生身の女の子であるイゼッタが、どうやって戦っていくのかというところですね。もちろん、戦闘中の緊張感などは映像として描写していくのですが、戦場だけでなく、背後で動いている軍の組織としての戦いであったり、政治的な駆け引きであったりというものが、全部、混然となって進んで行くのが『イゼッタ』という作品の魅力だと思います。そういった、大人っぽい戦争映画的なところを楽しんでもらえれば嬉しいです。

(取材・文=丸本大輔)

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